テックブログ

精神科の看護記録とAI — 観察と会話が中心の記録を、どう支えられるか

目次
  1. 精神科の看護記録は、なぜ書く量が多くなるのか
  2. 書く負担は、S(主観的情報)に集中する
  3. AIは、何を代わりに書けるのか
  4. 「早く書ける」だけでは、看護記録の道具にならない

精神科の看護記録は、他の診療科と比べて書く量が多くなりがちです。これは記録の様式の問題ではなく、記録の材料が「観察と会話」だからです。

MENTRAは、精神科・心療内科に特化した医療AIです。看護記録の支援の話をする前に、まず精神科の看護記録がなぜ大変なのかから整理します。

精神科の看護記録は、なぜ書く量が多くなるのか

身体科の看護記録には、バイタルサインや検査値のように数値で書ける材料が多くあります。精神科ではそこが逆転します。表情、口調、生活リズム、対人関係の様子、本人の言葉——数値に置き換えられない観察こそが記録の本体です。

会話の記録も特徴的です。患者さんの発言は要約しすぎると意味が変わってしまうことがあり、看護師は「本人がどう言ったか」をできるだけ保った形で残そうとします。丁寧に書くほど、記録は長くなります。

書く負担は、S(主観的情報)に集中する

SOAP形式で書く場合、S(Subjective)には患者さんの言葉が入ります。勤務の終わりに、日中の会話を思い出しながらSを書き起こす——この時間が、精神科の看護記録でいちばん重い部分です。

思い出して書く方式には、時間のほかにもう1つの課題があります。記憶は要約されるので、会話の中にあった小さな変化のサインが、記録に残る前に落ちることです。

記録の材料がどこから来るかを並べると、身体科との違いがはっきりします。

記録の材料 身体科で多いもの 精神科で多いもの
数値で残せるもの バイタルサイン、検査値 服薬の状況、睡眠の時間
数値にできないもの 創部の様子など限られる 表情、口調、生活リズム、対人関係の様子
本人の言葉 要点だけで足りることが多い 言い方まで保って残すことに意味がある
書く時間の重心 O(客観的情報) S(主観的情報)

AIは、何を代わりに書けるのか

MENTRAの看護記録支援では、ケアや面談の場面を録音すると、AIが会話からSOAP形式の下書きを作ります。看護師の仕事は「思い出して書く」から「下書きを確認して直す」に変わります。

訪問看護では1回の会話が20分を超えることも珍しくありませんが、下書きは数分で仕上がります。 会話の長さと書き起こしの手間が比例しなくなるので、丁寧に話を聴くことが記録の負担に跳ね返らなくなります。

精神科特有の専門用語や薬剤名に対応した用語辞書を持っているため、日常の看護の言葉づかいのまま録音して使えます。

「早く書ける」だけでは、看護記録の道具にならない

看護記録は診療の記録であると同時に、多職種が読む申し送りの材料でもあります。だからMENTRAでは、AIの下書きをそのまま記録にしない設計にしています。必ず看護師が内容を確認し、直すところを直してから確定します。

AIが引き受けるのは「思い出して書き起こす」という作業で、何を残すかを決めるのは看護師です。この線の引き方が、記録の質と速さを両立させる要だと考えています。

看護記録支援の詳細はAI看護記録にまとめています。いまお使いの記録様式に合わせた調整もご相談ください。

↑ このページの先頭へ

まずは、30分だけ話を聞かせてください。

今の記録の流れを伺うところからで大丈夫です。資料の準備は不要です。

精神科病院からメンタルクリニックまで、規模を問わず。院内の運用に合わせた調整もご相談ください。