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精神科の用語は、なぜ音声認識で聞き間違えられやすいのか

音声から記録の下書きを作るとき、最初の関門は文字起こしの正確さです。そして精神科は、汎用の音声認識がいちばん苦手とする言葉が集まっている領域でもあります。この記事では、MENTRAが精神科専用の用語辞書をどう作り、どう育てているかを紹介します。

精神科の言葉は、なぜ聞き間違えられやすいのか

理由は大きく3つあります。

1つ目は、薬の名前です。向精神薬には音の近い名前が多く、一般名と商品名の使い分けもあります。医療安全の分野で「名称類似」への注意喚起が続いているとおり、人間でも聞き分けに注意の要る言葉は、音声認識にとっても難所です。

2つ目は、制度の用語が日常語と衝突することです。たとえば精神科の現場で「B型」といえば就労継続支援B型の作業所を指すことが多いのですが、文脈を知らなければ血液型にも聞こえます。「手帳」「自立支援」——短い言葉ほど、汎用の音声認識は一般的な意味のほうに寄せてしまいます。

3つ目は、現場の略語と言い回しです。「訪看」「デイケア」のように、話し言葉では書き言葉と違う形で使われる言葉が多く、原稿のない会話では言い直しや省略も頻繁に起きます。

用語辞書には、何を入れているのか

MENTRAの用語辞書は、精神科の診療と制度に関わる語を中心に収録しています。薬剤名、疾患と症状の用語、そして自立支援医療・医療保護入院・障害年金・作業所・グループホームといった制度の用語。診察だけでなく、看護記録・面談記録・議事録・福祉訪問記録という5種類の記録様式それぞれで使われる言葉を対象にしています。

汎用の音声認識にあとから言葉を教え足すのではなく、精神科の記録を作るための辞書として最初から設計していることが特徴です。診療科を精神科・心療内科に絞っているからこそ、深く作り込める部分です。

辞書は、どうやって育てているのか

辞書は作って終わりではありません。実際の利用の中で見つかった聞き間違いを確かめ、辞書に反映する——この繰り返しで育てています。2026年7月には、薬剤名と専門用語を中心に辞書を大きく増強しました。共通の辞書への増強は、MENTRAをお使いのすべての医療機関に行き渡ります。

医療機関ごとに、よく使う言葉の癖もあります。導入先の言い回しに合わせた調整も行っており、使われるほど、その現場の言葉に馴染んでいく仕組みです。

正確な文字起こしは、何を支えているのか

文字起こしの正確さは、それ自体が目的ではなく、確認の速さを支えるためのものです。下書きの言葉が正確であるほど、医療者が確認・修正にかける時間は短くなります。

導入医療機関の本番実測では、診察終了から中央値18秒で下書きが仕上がり、AIが作った下書きの96.7%が医療者の確認・修正を経て確定まで進んでいます。記録の下書きが「直す前提のメモ」ではなく「確認すれば使える下書き」であるために、用語辞書はこれからも育て続けます。


診療記録の機能はAIカルテ・診療記録に、MENTRAという会社のことは会社概要にまとめています。

まずは、30分だけ話を聞かせてください。

今の記録の流れを伺うところからで大丈夫です。資料の準備は不要です。

精神科病院からメンタルクリニックまで、規模を問わず。院内の運用に合わせた調整もご相談ください。