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精神保健福祉士の面談記録には、何を書くのか

目次
  1. 面談記録は、カルテと何が違うのか
  2. 面談記録には、何の欄が要るのか
  3. 制度の用語が多いのは、なぜか
  4. 長い面談を、どう記録に残すのか
  5. 面談記録が、ほかの記録と同じ時間軸に並ぶと

精神保健福祉士(PSW)の面談記録は、決まった様式が一つに定まっているわけではなく、「何をどこまで書くか」が現場ごとの積み重ねに任されてきた領域です。この記事では、精神科の医療機関で面談記録に何を残すのか、そしてその記録づくりの負担をどう軽くできるのかを整理します。

面談記録は、カルテと何が違うのか

診察のカルテが症状と治療の記録だとすれば、面談記録は生活と支援の記録です。精神保健福祉士が残すのは、患者さんの生活状況、家族や環境のこと、経済面の心配、利用している制度、そして本人の意向。診療の経過とは別の軸で、その人の暮らしを支えるための情報を積み重ねていきます。

だからこそ、カルテの様式に面談の内容を押し込むと書きにくく、あとから読み返しにくくなります。面談記録には、面談記録の形が要ります。

同じ面談の中で出てきた話でも、どちらに書くのが自然かは分かれます。

話題 主に残る場所 理由
睡眠・食欲・服薬の状況 カルテ・看護記録 治療の経過として読まれる
家族との関係、同居の状況 面談記録 支援の前提が変わったことを、次の担当者が知る必要がある
経済状況、生活費の心配 面談記録 制度の利用可否に直結する
就労・通所の状況 面談記録 生活の組み立てそのもの
本人の意向(どうしたいか) 面談記録 支援の方向を決める。カルテの主訴とは別
希死念慮の訴え 両方 治療の判断と支援の判断の両方に効く

最後の行が要点です。どちらか一方にしか残っていないと、もう一方の職種が知らないまま次の判断をすることになります。

面談記録には、何の欄が要るのか

医療機関の精神保健福祉士が扱う面談は、大きく4つの型に分かれます。型ごとに、残しておくと次が楽になる項目が違います。

面談の型 何を残すか
インテーク(初回) 相談の経路(誰の紹介か)/生活歴と現在の生活の枠組み/家族と支援者の顔ぶれ/経済の状況/すでに使っている制度/本人が困っていること
継続面談 前回からの変化/前回に決めた「次にやること」がどうなったか/新しく出てきた困りごと/今回決めたこと
退院支援 退院先の候補と本人・家族の意向/退院までに要る手続きと期限/院外の関係機関と担当者/退院後に誰がどう関わるか
制度の相談 どの制度の、どの段階か(新規/更新/変更)/必要な書類と、いま揃っているもの/期限/次に動く人

共通して効くのは「次にやること」と「誰が動くか」を毎回1行残すことです。支援は数か月から数年続くので、途中で担当が替わったときに、ここだけは引き継がないと止まります。

制度の用語が多いのは、なぜか

精神科の支援は、制度の上に成り立っています。自立支援医療、精神障害者保健福祉手帳、障害年金、医療保護入院、就労継続支援(A型・B型の作業所)、グループホーム——面談で話題になるのは、こうした制度の一つひとつです。

面談記録の質は、この用語を正確に残せるかどうかに大きく左右されます。「手帳の更新の相談」と「年金の申請の相談」では、次にやることがまったく違うからです。だからこそ、記録には略語ではなく正確な制度名で残す意味があります。

面談でよく出る呼び方と、記録に残すときの正式名称を並べます。期限のある制度は、期限そのものを記録に書いておくと、次の面談の入口になります。

面談での呼ばれ方 記録に残す名称 期限の目安
自立支援、32条 自立支援医療(精神通院医療) 有効期間は原則1年。更新のたびに申請が要る
手帳 精神障害者保健福祉手帳 2年ごとに更新
年金 障害年金(障害基礎年金/障害厚生年金) 更新は等級と傷病により異なる。初診日の証明が要る
作業所 就労継続支援A型/B型 ―
ホーム 共同生活援助(グループホーム) ―
保護入院 医療保護入院 入院期間に上限がある(開始から6か月までは3か月以内、以後6か月以内)。続けるときは更新の手続きが要る

期限は制度ごとに決まっています(自立支援医療(精神通院医療)は原則1年、 精神障害者保健福祉手帳は2年/いずれも厚生労働省)。 医療保護入院の入院期間と更新は、2024年4月施行の精神保健福祉法の改正で定められました(厚生労働省「医療保護入院の入院期間の更新に際してのお知らせ」様式)。 記録に残しておきたいのは期限そのものより、次に動くのが誰で、いつまでかです。

「手帳」とだけ書かれた記録は、あとから読む人に何も渡しません。 手帳なのか受給者証なのか、新規なのか更新なのか、期限はいつなのか。ここが揃っていると、次の担当者は面談の続きから始められます。

長い面談を、どう記録に残すのか

面談は、話が広がる仕事です。生活の様子から始まって、体調のこと、家族のこと、お金のこと、これからのこと。1回の面談で扱う話題は多岐にわたり、終わってから要点を整理して記録に落とす作業には、面談そのものと同じくらいの集中力が要ります。

MENTRAは、この面談記録に専用のAIを用意しています。面談の会話を録音すると、面談記録の様式に沿った下書きが自動で仕上がります。文字起こしには精神科専用の用語辞書を使っており、上に挙げた制度の用語も正確に扱います。精神保健福祉士は、出来上がった下書きを確認・修正して確定するだけです。

面談記録が、ほかの記録と同じ時間軸に並ぶと

MENTRAでは、診察・看護・面談・カンファレンス・福祉訪問という5種類の記録様式を、同じ基盤の上で扱います。面談記録が診察や看護の記録と同じ時間軸に並ぶと、診察の前に医師が面談の内容を確認できるようになります。「相談したことが、ちゃんと伝わっている」——患者さんのその安心は、面談という仕事の価値そのものです。

支援は、一度の面談では終わりません。手帳の更新、障害年金の手続き、住まいのこと——数か月、ときに数年単位で続く経過を、あとから関わる人にも伝わる形で残しておくことも、面談記録の大事な役割です。

導入医療機関では、医師2名から始まった利用が、相談・看護・福祉の部門を含む18名に広がりました。面談記録は、多職種で患者さんを支える精神科医療の、要の記録だと考えています。

面談記録の様式や運用のかたちに合わせた調整もご相談ください。面談記録の機能はAI面談記録に、導入医療機関の経過は導入事例にまとめています。

よくあるご質問

制度名は、面談で呼ばれたとおりに書いてはいけませんか

会話の中の呼び方は略称で構いませんが、記録には正式名称で残すほうが安全です。「手帳」「年金」のような呼び方は複数の制度を指しうるため、あとから読む人が新規なのか更新なのかを判断できなくなります。

面談記録の様式は、施設ごとに違っていてよいのですか

一つに定まった様式はなく、現場ごとの積み重ねに任されてきた領域です。項目の名前を揃えることより、次の担当者が続きから始められる情報が毎回同じ場所にあることのほうが実務では効きます。

本人の意向が家族の希望と食い違うときは、どう書きますか

どちらかに寄せずに、両方をそのまま残します。一致させて書くと、あとで方針が戻ったときに何がいつ変わったのかを追えなくなります。誰の言葉かが分かる形で並べておくと、次の面談の入口になります。

面談記録は、医師や看護師にも読まれる前提で書くのですか

読まれる前提で書くほうが役に立ちます。生活や経済の状況は治療の判断にも効くので、診察の前に医師が面談の内容を確認できると、患者さんが同じ話を繰り返さずに済みます。

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まずは、30分だけ話を聞かせてください。

今の記録の流れを伺うところからで大丈夫です。資料の準備は不要です。

精神科病院からメンタルクリニックまで、規模を問わず。院内の運用に合わせた調整もご相談ください。