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精神科の問診を、途中でやめて後から続けられるようにする

目次
  1. 途中でやめられないと、何が起きるか
  2. ログインしない仕組みで、どうやって続きを開くのか
  3. 6桁の番号で再開する
  4. 書きかけを、診療記録と同じ扱いにしない
  5. 「中断できる」を、機能として見せない
  6. 患者さんの側の設計は、商談では見えにくい

精神科の初診の問診票は、体調が悪い状態で書かれます。 眠れていない、集中が続かない、不安が強い。そういう状態で20ページ近い設問に向かうことになります。

一度に最後まで書ききれることを前提にした作りは、この現実に合っていません。途中でやめられて、後から続けられる必要があります。

途中でやめられないと、何が起きるか

書ききれなかった問診は、そのまま失われます。患者さんは来院時に紙で書き直すか、診察室で口頭で答えることになります。事前に問診を出した意味がなくなります。

さらに悪いのは、患者さんの側に「またあれを最初から書くのか」という負担感が残ることです。次の機会に問診を出しても、開かれなくなります。

ログインしない仕組みで、どうやって続きを開くのか

ここが設計上の難所でした。MENTRAの問診は、患者さんにアプリのインストールもアカウント登録も求めません。 URLかQRコードから入って、そのまま答えていただく形です。

登録がないということは、「あなたが先ほどの人だ」と確かめる手段がないということです。ログインがあるサービスなら「ログインすれば続きが出る」で済みますが、この前提を捨てたところから始まります。

かといって、誰でも他人の書きかけを開けてしまうのは論外です。診療情報として扱うべきものが入っています。

6桁の番号で再開する

MENTRAが選んだのは、再開用の6桁の番号を発行する方式です。中断したときに番号が表示され、次に開くときにその番号を入れると続きから始まります。

この方式にしたのは、次の理由からです。

  • 患者さんが覚えられる・書き留められる長さである
  • 端末をまたげる。 スマートフォンで書き始めて、家族のタブレットで続きを書ける
  • アカウントを作らせない。 個人情報をさらに預かることにならない

長い文字列やリンクを送る方式も検討しましたが、メールアドレスを持たない方が使えなくなるため採りませんでした。問診の基本情報でメールアドレスと電話番号を任意にしているのと、同じ考え方です。

再開のさせ方 患者さんに求めること 判断
アカウントを作ってログインする インストール・登録・パスワードの管理 採らない。問診のためだけに、預かる個人情報が増える
続きのリンクをメールで送る メールアドレスの登録と受信 採らない。メールアドレスをお持ちでない方が使えなくなる
再開用の6桁の番号を出す 中断のときに表示される番号を控えること 採用。覚えられる長さで、端末をまたいで続きを開ける

書きかけを、診療記録と同じ扱いにしない

もうひとつ決めたのが、書きかけの扱いです。

送信前の入力途中の問診は、診療記録とは区別して保管します。そして、送信が完了したとき、または最大7日で自動的に完全削除します。書きかけのまま放置されたものを、システムの中に溜め込みません。

これは容量の話ではなく、預かる情報を必要以上に持たないという方針です。問診が完了すれば書きかけは役目を終えますし、7日たって戻ってこなかったものは、患者さんが再開する意思を持っていないものとして扱います。

「中断できる」を、機能として見せない

実装のうえで気をつけたのは、中断を特別な操作にしないことです。「保存する」ボタンを押させて、「番号を控えてください」と説明して、という作りにすると、それ自体が覚えることになります。

MENTRAでは入力が自動で保存されるので、患者さんはそのまま閉じてよい形にしています。番号は中断のときに表示されるだけです。

利用者の負担を減らすための機能が、新しい手順を増やしてしまうことはよくあります。操作が1つ増えることの重さは、それを毎回する人にとっては「たった1つ」ではありません。ここは設計の判断として、増やさない側に倒しています。

患者さんの側の設計は、商談では見えにくい

問診の使いやすさは、導入を検討される段階では確かめにくい部分です。実際に患者さんが使ってみて初めて、離脱の多さや問い合わせの数として表れます。

AI問診に仕組みをまとめています。いまお使いの問診票をそのまま再現できるか、設問の分岐をどう組めるかは、実物をお見せいただければ具体的にお答えできます。まずは現状の問診票を見せていただくところからで構いません。

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